勝山さんはFESTVIN(フェスティバン)というヴァンナチュールのイベントを主催する、
日本のワイン文化を牽引してきた方です。
私がkurkkuで働いていた2010年にオーガニックワインの素晴らしさを知り、
素敵なイベントがあると聞いて参加したのがフェスティバンでした。
私にとっては天国のようなイベントで、
ここまで揃うとは!と思うほどの種類のオーガニックワインが飲み放題で、
ワインに合う美味しいフードも買えて至福のひとときでした。
その頃からヴァンナチュールという表現が広まり、雑誌で特集があったり、飲める店も増えていきました。
こちらの本は半分くらいは
勝山さんがナショナル麻布スーパーマーケットでワインのバイヤーしていた頃のお話から始まって、
ご自身と共に日本のワイン文化の変遷を綴ったものです。
残りの半分はワインを知り尽くした勝山さんが行き着いたヴァンナチュールのお話です。
勝山さんが最初に衝撃を受けたヴァンナチュールは
ボジョレのマルセル・ラピエールが造ったMORGONモルゴンだったそうです。
「これは、すごい」ネガティブな要素が一切ない、
スッと体に入っていく。ゾクゾクするワインに久しぶりに出会えたと思ったそうです。
マルセル・ラピエールのワインは何度か私も飲ませて頂きました。
ボジョレ地区なので、ボジョレーヌーヴォーのワイン会などでお目にかかりました。
ボジョレ地区で初めて完全な有機農法のワインを作り、
ヴァンナチュールの礎を築いた
マルセル・ラピエールは2010年10月に突然他界されて現在は長男が引き継いでいます。
ヴァンナチュールの魅力について
これまでのワインは同じような造り方で、
飲むときに知識や経験をもとに「考えて」飲んでいました。
ヴァンナチュールは造り手の個性が出ているので、
最終的には飲んでみないとわからないくらい、
頭で考えるものではなく感じるものだと勝山さんは言います。
ヴァンナチュールの味わいはとてもピュアで官能的なんだそうです。
勝山さんが「あれ」と呼んでいる湿気った枯れ葉が放つような香りがあります。
私もオーガニックワインを飲んで感じる「あれ」があります。
私はその香りを感じると、
有機農業を長年やっている農家さんの畑や納屋の匂いを思い出します。
勝山さんと同じ「あれ」かどうかはわかりませんが(笑)
ヴァンナチュールやオーガニックワインはまだまだ少数派ですが、
長年ワインと関わってきた勝山さんがこれからどんどん
新しいワイン文化を作っていくんだなぁと感じさせてくれる本でした。
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