私のバイブルのような本です。
ワインの世界とオーガニックワインの世界は重なることも多いのですが
ジャンルが違うと感じています。
オーガニックワインを販売することになって
何を学んだら良いのかわからなかった時に著者の田村さんの講座を受講しました。
田村さんは学生時代にスペインに留学をされていて
水よりも安いワインを沢山飲んでいたそうです。
日本の大手食品メーカーでドイツやフランスの駐在員として働くようになって
現地のワインに精通していたのですが
香料メーカーに勤める友人からワイン用の香料があることを知り衝撃を受けました。
安いワインも合成香料を加えることで有名な産地のワインに変わるそうです。
さらに日本に届くヨーロッパの安価なワインは安く輸送するため、
温度管理輸送などしていないものがほとんどです。
アラビア湾やインド洋、南シナ海など、熱帯で40℃を越える高温にさらされ、
国内でも、トタン1枚の問屋の倉庫、炎天下のトラック、小売店でも棚ざらし、直射日光。
この条件でワインをもたせるために、大量の合成保存料が使われるのです。
私にも経験がありますが一般的なワインを沢山飲むと頭が痛くなります。
その原因の一つが合成保存料だと言われます。
この本はオーガニックワインの基本的なことや
田村さんのオーガニックワインに対する考え方を学ぶことができます。
ソムリエに関しても資格好きな日本人に苦言を呈しています。
世界の中でソムリエが一番多いのは日本だそうで
ワインの専門家として活躍していますが
舌が香料や調味料を使ったワインに慣れてしまっていて
オーガニックワインの自然な香りや味では物足りなく感じるようで
評価されにくいそうです。
私もレストランでオーガニックワインはありますか?
と聞くと嫌がるソムリエさんに出会ったことがあります。
オーガニックは時として他者を否定しているように
思われてしまいがちです。
否定するつもりはないのですが
ワインに関しては工業製品のように扱われ
現地とは違うものならばそれは問題だと思います。
田村さんの講習やこの本で改めて実感したことは
やはり本物を求めるとオーガニックに行き着くということです。
オーガニックは他者を否定するのではなく
美味しいと広まればいいのになぁと思いました。